ガリガリの計算から
₍2/3改訂)学術計算で私が先ず思い出すのは第一原理計算の手法を用いた分子構造の同定です。数十年前の技術ですが、その時代から現代の計算機の技術は物凄い進化を遂げているのです!!
現実世界を変えていく筈です。
高性能のコンピューターを駆使してマイクロソフトが成果を上げています。コンピュータでのAIの活用で新素材を発見したのです。(後述しますが詳細は随時確認中です。学術レベルでの発表を確認します。<<特に量子コンピューターの活用内容について。)マイクロソフト社は以前から科学技術にAIを活用する取り組みを続けていました。とくに素子としては「独自のスピン、トランスモン、ゲートモン、その他の種類の量子ビットを製造してきましたが、最終的にはそれらが規模に適していないことが判明しました。代わりに、トポロジカル量子ビットの設計に着手しました。」と報道しています。
素人考えで単純に考えてみると、マイクロソフト社も営利団体なので研究成果を各国の競合に対して開示しません。関連HPを見ても情報は無く「セールス担当者とチャット」というボタンがあるだけです。
それなのでNatureやScienceといった系統の雑誌に論文を載せる前に、市場動向を見極めて開発の方向性を決めていきたいのでしょう。提供されている情報は限られています。「後は具体的に商談していきましょう!」というスタンスです。
きっと所属研究者も先に
方向性を決めていきたいのでしょう。
今回はそんなマイクロソフトとパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)との共同研究です。
①マイクロソフトのサイト:https://news.microsoft.com/ja-jp/2023/06/23/230623-accelerating-scientific-discovery-with-azure-quantum/
(上記サイトでPNNL首脳は語っています)「We recognized early on that the magic here is in the speed of AI assisting in the identification of promising materials, and our ability to immediately put those ideas into action in the laboratory. 」
こうしたインフラ「Azure Quantum Elements」(AQE)が活用され今回の成果に繋がっています。新しい材料の発見に高性能コンピューティング(HPC)インフラであるAQEが活用されたのです。
今回の成果例
今回、マイクロソフト社は全固体電池での新素材の開発に成功しました。通常であれば2ヶ月かかる作業を、2週間で終えています。高性能コンピュータの活用で成果を出しています。(←この文、以前は量子コンピューター活用の記載でしたが具体的な一次情報の発表が確認できませんので訂正します。1/24追記
関連ニュースの投稿も見れなくなっています。2/3追記)https://news.yahoo.co.jp/articles/7c9aca153e5c748579b941e09a3e7e60c0423082
そもそも、量子コンピュータの凄さは超並列計算を駆使した計算手法です。「重ね合わせ」を駆使して特殊な結果を出すことが出来ます。開発の過程にある量子コンピューターを使い、組み合わせ問題に特化した活用を行っています。そして現在の量子コンピューターの弱点である誤り訂正にはAQEでAIを用いるというアプローチがあると期待されています。
今回の選定では3200万種類の無機材料の中から対象の固体電解質に最適な新素材を特定しました。手法として①AIを使い性質が分かっている無機材料を学習させました。②その後にAIに未だよく知られていない物質が個体電解質に適しているか推論させたのです!!
見つかった素材の中では導電物質としてナトリウムを有効に活用出来ています。
破裂や発火の懸念の低い全固体電池で成果が得られた意義は大きいです。従来のリチウム主流の手法と比べコスト面でのメリットも出てきています。
人が行う選定、確認
3200万種類の中からAIが50万種類を絞り込んだのですが、更にクラウド上の通常パソコンを使い作業を進めます。最後は人手で評価をしています。
マイクロソフトとPNNLクラウド上の高性能PCと人手での作業で候補を23種にまで絞り込んでいます。
23種の中には既知の物質(固体電解質)が含まれていましたので、18種類の電解質候補を見つけた訳です!!
そして、18種類の中から1つを選び材料の合成に成功したと新聞では報じられていました。評価試験の予定があるそうです。(2024年1月23日の日経新聞情報)
意識下の作業
AIで私が別途、考えているのは心理学の世界で使うSubConscious領域の意識をモデル化してみることです。潜在意識とでも言えるでしょうか。潜在意識と顕在意識を別のCPUの中でモデル化して動かす時に通常とは別の動作が期待出来ます。心理学の現場で対面している患者さんが「時に涙を流しながら」吐露した心の声を分析してモデル化し、作り上げた学問体系はAIともマッチするはずです。いま小説家が絞り出した言葉をAIで文章解析する時代です。芥川賞作家・直木賞作家もAIを活用して小説を書く時代です。
無論、それぞれのモデルの中ではGAN(敵対的生成ネットワーク)を始めとした有効な手法を使えます。そしてどちらのモデルでも上記の材料開発のフェーズでは厳密な化学反応の公式を演算させます。
具体的な無意識のモデルはいずれ別稿で再考察します。科学の世界での知的活動にコンピュータが駆使できる時代が到来しています!!そして、AIの世界では私のようなサラリーマンが積極的に独自モデルを試行錯誤できる時代でもあるのです。
「皆でAI弄っている日本人達」って
将来になったらすごいですね。
また、本稿は2024/1/23の日経新聞記事を参考としています。
〆最後に〆
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