現場で使えるPython機械学習入門【大曾根圭輔、関喜史、米田武_著】

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実戦的なアルゴリズムの学習

まず、本稿は機械学習に関心を持つ私(コウジ)が実際に
「使える学習方法」を吟味する視点で記載します。
実際に関心をもった皆さんが作業していく上で、
少しでも有益な情報を残しましょう。

参考図書は
(大曾根圭輔、関喜史、米田武_著)現場で使えるPython機械学習入門
です。

Pythonで実戦的なアルゴリズムを身に付ける為に「どんな座学」が有効なのか考えてみましょう。

具体的には・・・・

 

1. **データ構造とアルゴリズムの基本**

– **重要性**: 効率的なアルゴリズムの設計と実装に不可欠です。特に、リスト、スタック、キュー、ツリー、グラフ、ハッシュテーブルなどのデータ構造と、それらに関連する基本的なアルゴリズム(検索、ソート、再帰、動的計画法など)を理解することが重要です。

– **参考書籍**: 『Introduction to Algorithms(通称: CLRS)』や『データ構造とアルゴリズム』などの本。

2. **アルゴリズムの設計と解析**

– **重要性**: 問題を解くためにどのようにアルゴリズムを設計し、それが効率的かどうかを評価するスキルを養います。計算量の解析や最適化の手法を学びます。
– **参考トピック**: 貪欲法、分割統治法、動的計画法、バックトラッキングなど。

3. **コンピュータサイエンスの理論**

– **重要性**: 計算理論やオートマトン、形式言語などの理論的な基礎を理解すると、アルゴリズムの限界や複雑さをより深く理解できます。
– **参考トピック**: P vs NP問題、計算可能性、チューリングマシン、NP完全問題。

4. **機械学習とデータサイエンスのアルゴリズム**

– **重要性**: 実践的なアルゴリズムの多くは、データサイエンスや機械学習の分野で応用されています。これらのアルゴリズムをPythonで実装することで、実務に直結したスキルが身につきます。
– **参考トピック**: 線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、クラスタリング、ニューラルネットワークなど。

5. **競技プログラミング**

– **重要性**: アルゴリズムの理解を深め、実装スピードを上げるために効果的です。特定の問題を限られた時間で解決する練習を通じて、効率的なコーディングのスキルが身につきます。
– **参考プラットフォーム**: AtCoder、LeetCode、Codeforcesなど。

これらの座学を組み合わせることで、Pythonを使って実戦的なアルゴリズムスキルを高めることができるでしょう。

事前準備の流れ

Pythonのインストールから始まり仮想環境(Venv)を構築してHelloWorldの表示、四則演算、女権分岐、関数、クラスと学習を進めていきます。

以下は、Pythonのインストールから基本的な機能を学習するためのステップとコード例です。

1. Pythonのインストール

  • 手順: Python公式サイト(https://www.python.org/downloads/)から
    Pythonをダウンロードしてインストールします。インストール時に
    「Add Python to PATH」にチェックを入れることをお勧めします。

2. 仮想環境の構築(Venv)

初心者は気にしないで良い段階です。

「複数環境」とか言われても分からないですよね。

python -m venv myenv  # 仮想環境「myenv」を作成

source myenv/bin/activate  # 仮想環境を有効化 (Windowsでは `myenv\Scripts\activate` を実行)

 

仮想環境を使用することで、プロジェクトごとに
異なるPythonのパッケージを管理できます。

3. Hello Worldの表示

print("Hello, World!")

 

Pythonの基本的な構文を理解するための最初のステップ。

 

4. 四則演算

Pythonもプログラム言語ですから単純な計算は
定義しないで簡単に出来ます。

a = 10

b = 5

  # 足し算

print(f"{a} + {b} = {a + b}")
  # 引き算

print(f"{a} - {b} = {a - b}")
   # 掛け算

print(f"{a} * {b} = {a * b}")

  # 割り算

print(f"{a} / {b} = {a / b}")

基本的な数学演算を行う方法を学びます。

5. 条件分岐

「IF」文やは色々なプログラムで使いますね。
Pythonではインデントと「コロン(:)」に注意。

x = 20

if x > 10:

      print("x is greater than 10")

elif x == 10:

      print("x is equal to 10")
 else:   print("x is less than 10")

条件に基づいてコードの実行を制御する方法を理解します。

6. 関数

独自の関数をプログラムの中で使いたい時には「def」から始める書式です。
関数の定義でもインデントに注意。

def greet(name):
   return f"Hello, {name}!"
 print(greet("Alice"))
 print(greet("Bob"))

再利用可能なコードブロック(関数)
を作成して呼び出す方法を学びます。

7. クラス

クラスの中で「def」とか「if」とか使うので、
ここでもインデントに注意しましょう。

class Dog:

      def __init__(self, name, breed):

    self.name = name

    self.breed = breed   def bark(self):

            return f"{self.name} says Woof!" my_dog = Dog("Rex", "Labrador") print(my_dog.bark())

“`

クラスを使い出してオブジェクト指向プログラミングの基本を学びます。

クラスを定義し、それに基づいてオブジェクトを作成します。そして、これらのコード例を順に学ぶことで、Pythonの基本的な機能を理解し、実践に活用できるスキルを身につけることができます。

サンプルデータと機械学習

Pythonを使った機械学習ではニューラルネットワークを始めとした手法の理解やサンプルデータの利用法が重要です。学習ポイントとして以下に具体的なポイントと関連するコード例を示します。

1. ニューラルネットワークの基礎

  • ポイント: ニューラルネットワークの基本的な構造(層、ニューロン、活性化関数など)を理解する。
  • コード例: シンプルなニューラルネットワークの構築(TensorFlowやPyTorchを使用)
import tensorflow as tf f
rom tensorflow.keras import layers 
# モデルの定義 
model = tf.keras.Sequential([ 
  layers.Dense(128, activation='relu', input_shape=(784,)), 
  layers.Dense(64, activation='relu'), 
  layers.Dense(10, activation='softmax')])
# モデルのコンパイル 
model.compile(optimizer='adam', loss='sparse_categorical_crossentropy', metrics=['accuracy'])
 # モデルのサマリー表示
 model.summary()

2. データの前処理

  • ポイント: 生データを機械学習モデルに入力できる形式に変換することが重要です。データの正規化や欠損値の処理、カテゴリ変数のエンコーディングなど。
  • コード例: データの正規化とエンコーディング
from sklearn.preprocessing import StandardScaler, LabelEncoder
import numpy as np 
# サンプルデータ 
X = np.array([[1.0, 2.0, 3.0], [4.0, 5.0, 6.0], [7.0, 8.0, 9.0]]) 
y = np.array(['cat', 'dog', 'cat']) 

# 正規化 
scaler = StandardScaler() X_scaled = scaler.fit_transform(X) 
# カテゴリ変数のエンコーディング 
encoder = LabelEncoder() y_encoded = encoder.fit_transform(y) print(X_scaled) print(y_encoded)

3. サンプルデータセットの利用

  • ポイント: scikit-learnやTensorFlowなどで提供されるサンプルデータセットを活用して、機械学習アルゴリズムを試すことができます。
  • コード例: scikit-learnのサンプルデータセットを使用


from sklearn.datasets import load_iris
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.ensemble import RandomForestClassifier
from sklearn.metrics import accuracy_score 

# データセットの読み込み 
iris = load_iris() X, y = iris.data, iris.target 

# 訓練データとテストデータに分割 
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.3, random_state=42) 

# モデルの訓練 
clf = RandomForestClassifier() clf.fit(X_train, y_train) 

# 予測と評価 
y_pred = clf.predict(X_test) print(f"Accuracy: {accuracy_score(y_test, y_pred)}")

4. モデルの評価とチューニング

  • ポイント: モデルの性能を評価し、ハイパーパラメータの調整を行うことが重要です。交差検証やグリッドサーチ、ランダムサーチなどの手法を利用します。
  • コード例: グリッドサーチを用いたハイパーパラメータチューニング
from sklearn.model_selection import GridSearchCV
from sklearn.svm import SVC # ハイパーパラメータの定義 param_grid = { 'C': [0.1, 1, 10], 'gamma': [1, 0.1, 0.01], 'kernel': ['rbf'] } # モデルとグリッドサーチの定義 grid = GridSearchCV(SVC(), param_grid, refit=True, verbose=2) grid.fit(X_train, y_train) # 最適なパラメータの出力 print(f"Best Parameters: {grid.best_params_}")

5. モデルの保存とロード

  • ポイント: 訓練したモデルを保存して、再利用できるようにします。
  • コード例: 訓練済みモデルの保存とロード
import joblib # モデルの保存 joblib.dump(clf, 'model.pkl') # モデルのロード loaded_model = joblib.load('model.pkl')

これらの手法とコード例を通じて、Pythonを使った機械学習の基礎を学び、実際のプロジェクトで応用するスキルを磨くことができます。

機械学習の理論

ズバリ、
Pythonでの機械学習では「ライブラリー」が極力なツールとなります。

特に以下のライブリーが

よく使われていますので解説していきます

・数値計算ライブラリーであるNumpy

・機械学習ライブラリーであるscikit-learn

・データ解析ライブラリーであるPandas

それぞれのライブラリについて簡単に解説します。

1. Numpy(数値計算ライブラリ)

  • 概要: Numpyは、高効率な数値計算をサポートするライブラリで、多次元配列(ndarray)を扱うための強力な機能を提供します。ベクトルや行列演算を簡単に行うことができ、科学技術計算の基盤となります。
  • 主な機能:
    • 配列の作成と操作
    • 線形代数、統計、フーリエ変換などの数学関数
    • 高速な数値演算を実現するための最適化されたC言語ベースのバックエンド
  • コード例:
    import numpy as np # 配列の作成 a = np.array([1, 2, 3]) b = np.array([4, 5, 6]) # 配列の演算 c = a + b print(c) # 出力 : [5 7 9] # 行列の作成と積 matrix1 = np.array([[1, 2], [3, 4]]) matrix2 = np.array([[5, 6], [7, 8]]) result = np.dot(matrix1, matrix2) print(result)

2. scikit-learn(機械学習ライブラリ)

  • 概要: scikit-learnは、Pythonでの機械学習を手軽に始められるライブラリで、データの前処理、モデルの訓練、予測、評価を行うための豊富なツールが揃っています。サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、k-最近傍法など、多くのアルゴリズムが実装されています。
  • 主な機能:
    • モデルの訓練と評価
    • データの前処理(スケーリング、エンコーディング、分割など)
    • クロスバリデーションとハイパーパラメータのチューニング
  • コード例:
    from sklearn.model_selection import train_test_split
    from sklearn.datasets import load_iris
    from sklearn.ensemble import RandomForestClassifier
    from sklearn.metrics import accuracy_score # データセットの読み込み iris = load_iris() X, y = iris.data, iris.target # 訓練データとテストデータに分割 X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.3, random_state=42) # モデルの訓練 clf = RandomForestClassifier() clf.fit(X_train, y_train) # 予測と評価 y_pred = clf.predict(X_test) print(f"Accuracy: {accuracy_score(y_test, y_pred)}")

    3. Pandas(データ解析ライブラリ)

  • 概要: Pandasは、データの操作と解析を効率的に行うためのライブラリで、特にデータフレーム(表形式データ)を扱う際に非常に便利です。データの読み込み、クリーニング、操作、集計、可視化など、データ分析の全般をカバーします。
  • 主な機能:
    • CSV、Excel、SQLデータベースからのデータの読み込みと書き込み
    • データのフィルタリング、グルーピング、ピボットテーブル作成
    • 欠損値の処理とデータのクレンジング
  • コード例:
    import pandas as pd # データの読み込み df = pd.read_csv('data.csv') # 基本的な操作 print(df.head()) # 最初の5行を表示 print(df.describe()) # 基本統計量を表示 # データのフィルタリング filtered_df = df[df['column_name'] > 100] # グルーピングと集計 grouped_df = df.groupby('category_column').mean() print(grouped_df)

これらのライブラリを理解し、活用できるようになると、Pythonでの機械学習やデータ分析の効率が大幅に向上します。それぞれのライブラリは強力なツールであり、組み合わせて使用することでより複雑な問題にも対応できるようになります。

機械学習でのデータ

Pythonを活用した機械学習では何よりも全体のモデル化が大事です。
研究者や技術者、または経営者がAIを使いこなしたい
と言う要望が出てくるものですが、実際に(具体的に)
どうした目的の為にどんな手段を使うかが明確でない時があります。

そこが一番重要で「AIを使いたい」というだけのモデルで
問題が上手く解決できていない場合もあるのです。

実際に考えていくと

「どのようなデータに対して、どんな結果を出したいか」

が明確でないと作業の時間が無駄となります。

目的が不明確な場合にはプロジェクトが失敗に終わることがあります。
以下に、目的が明確でない場合の問題点と、目的を明確にするための具体的な例を示します。

1. 問題点: 目的が不明確なAIプロジェクト

  • 状況: ある企業の経営者が「AIを導入したい」と言い出し、技術者にそのプロジェクトを任せることにしました。しかし、経営者は「AIを使えばビジネスが成長するだろう」という漠然とした期待しか持っておらず、具体的にどのようなデータを使って、何を達成したいのかを明確にしていません。
  • 結果: 技術者は膨大なデータを集め、様々なモデルを試してみましたが、どの結果がビジネスに役立つのかがわからず、結局、時間とリソースを浪費するだけで、プロジェクトは失敗に終わりました。

2. 成功するためのアプローチ: 具体的な目的設定とモデル化

  • 状況: 同じ企業の経営者が、次回は具体的な目的を持ってAIプロジェクトを開始することを決意しました。今回の目的は「顧客の解約率を減らす」ことです。
  • 手順:
    1. データの特定: 顧客の解約率を予測するために、過去の顧客データ、契約期間、使用履歴、サポートへの問い合わせ件数、顧客満足度アンケート結果などを集めます。
    2. 目的の設定: 「次の3ヶ月以内に解約する可能性が高い顧客を予測し、事前にフォローアップする」という具体的な目的を設定します。
    3. モデルの選択: 顧客の解約を二分類問題としてモデル化し、ロジスティック回帰や決定木、ランダムフォレストなどの分類アルゴリズムを試して、最適なモデルを選定します。
    4. 評価と改善: モデルの精度を評価し、解約リスクが高いと予測された顧客に対して実際にフォローアップを行い、解約率が減少するかどうかを確認します。
  • 結果: 経営者と技術者は目的に合った具体的な手法を選び、AIモデルを導入した結果、顧客の解約率が減少し、プロジェクトは成功しました。

3. 例: 小売業での在庫管理の最適化

  • 状況: 小売業者が「AIを使って在庫管理を改善したい」と考えていますが、具体的に何を改善したいのかが明確ではありません。
  • 手順:
    1. データの特定: 過去の販売データ、季節ごとの販売トレンド、プロモーションの影響、供給チェーンデータ、商品ごとの販売サイクルなどを収集します。
    2. 目的の設定: 「在庫切れを防ぎつつ、余剰在庫を最小限に抑える」という具体的な目的を設定します。
    3. モデルの選択: 時系列分析や予測モデルを使用して、需要予測を行い、在庫を適切に管理します。たとえば、ARIMAモデルやLSTM(Long Short-Term Memory)を活用します。
    4. 評価と改善: モデルの精度を評価し、在庫管理の改善度合いを測定します。在庫切れの減少と在庫回転率の改善が確認された場合、プロジェクトは成功です。
  • 結果: AIを活用した在庫管理モデルにより、無駄な在庫が減り、販売機会の損失も防げるようになり、収益性が向上しました。

4. 学び: 目的と手段の明確化

  • 結論: AIを使う目的を明確にすることが、成功するAIプロジェクトの鍵です。具体的な目的が設定されないと、効果的なモデル化が難しくなり、リソースの無駄遣いに繋がります。しっかりとした目的設定とデータの特定により、AIの力を最大限に活用できます。

以上のように好ましい結果を導くためにAIを活用するのですが、
その為の明確なビジョンは経験に裏付けされていれば理想的ですね。

〆最後に〆

以上、間違い・ご意見は
次のアドレスまでお願いします。
最近は全て返信出来てませんが
適時、返信して改定をします。

nowkouji226@gmail.com

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